ノンバイナリーの独学の跡

独学と、Ace/Aroでノンバイナリーとしてのつぶやき

『ルバイヤート』[作]オマル・ハイヤーム (岩波文庫)

『必読書150』の海外文学枠で、課題読書として読んだ。ペルシアの詩人の作品集だ。

好きな作品だった。まず読みやすく意味が取りやすい。情けない理由だが。

生まれてきたことを嘆くようなネガティブさ、「永遠に生きる人はなく、かつて栄華を誇った王国も滅びた」というような無常感。ここまでだと日本のようだが、雲のない青空のように明るいのだ。透明感のあるブルー。

「墓の中から酒の香が立ちのぼるほど、(中略)ああ、そんなにも酒をのみたいもの!」(第80首より)のように酒好きさも窺える。しかし解説によればただの享楽的な人物ではなかったらしい。広く学問に通じ、その享楽的な考えの中にも哲学的な深みがあるそうだ。

この作品がもつ歴史的な意義は分からない。だが、毎日15分という課題読書の制限時間を超えても読んでいたいような魅力的な作品だった。

他にも文語訳があるらしい。そちらにも目を通してみたい。