ノンバイナリーの独学の跡

独学と、Ace/Aroでノンバイナリーとしてのつぶやき

2021年9月のインプット記録(本、映像作品、舞台)

本26冊(熟読12冊、漫画7冊)、映画2本、連続もの映像作品3つ、舞台1つ。就活後の休息期間を経て、よく本を読んだ1ヶ月だった。主な関心分野は独学とうつわだ。

スマホに取り憑かれた私たちへ薦めたい本ー

スマホ脳』[著]アンデシュ・ハンセン [訳]久山葉子

スマホで時間を潰したことがない人はほとんどいないのではないだろうか。私も時々やってしまう。中高生の頃は特にその魔力に抗えなかった。夜通し無益にネットサーフィンしていたことも少なくない。そんな方がスマホを手放せるようになるかもしれない。スマホのドラッグぶりを知ることによって、だ。

この本の内容はシンプルだ。「人間の脳はデジタル社会に適応していない」。ここ数十年で急速にライフスタイルが変化した。デジタル関連の習慣だけではない。 睡眠時間が減り、座っている時間が増えた。人類が現在の性質を獲得した時代には無かったストレスに、私たちは晒されている。研究成果を引いて、現在のライフスタイルの影響を説明していく。

書かれているアドバイスを取り入れきれていない。また読み返した方がいいだろう。

 

 

ー資本主義の問題と打開策についてー

『世界は贈与でできている』[著]近内悠太

贈与論なるものを寡聞にして存じなかった。資本主義の限界、現在の社会構造の課題とその打開策に興味がある。勉強を進めていきたい。

ー独学・学ぶことについてー

『君たちが忘れてはいけないこと:未来のエリートとの対話』佐藤優

佐藤優さんと灘高生の対話を文章化した本。佐藤優さんを灘高生が訪ねる。毎年恒例の行事らしい。灘高生たちの知識の深さに、自分の無知を恥じた。彼らのようにニュースの裏の流れを掴むためにはまず歴史を復習すれば良いだろうか。

『読書の技法』[著]佐藤優(再読)

この人の読書量、知識量には圧倒される。打ちのめされることもある。少しでも近づきたい。だが、同じ分野を同じように突き詰めても、佐藤優さんを目指しても劣化版にしかなれないことも分かる。私には私の興味関心向き不向きがあるからだ。それを活かさなければ突出できないし、そもそも別の人間になるようで無理があるだろう。自分なりの方向を探しつつ、人の行いやアドバイスから学んで、謙虚に進むつもりだ。そして、佐藤氏の横に並んでも恥ずかしくない人間になりたい。

ところで、この本のメインディッシュたる速読法をほとんど取り入れていないことに気が付いた。本を大量に買うお金がないのが1つ。もう1つは、特定の分野を深めるよりも新たな分野を開拓するのが楽しいから。知らない分野の本は熟読しかできない。この本でも触れられている(p.79)。読書以外にもやりたいことが多くて時間が無いとも書きそうになったが、これは言い訳だろう。見苦しい。

しかし無理して佐藤氏の速読法を取り入れる必要もないかもしれない。現在の私は学生だからだ。仕事に追われていない。好きなだけ好きなことに時間を費やせる。それは学生時代の利点である。興味の赴くままに熟読を重ねるのも、学生時代の選択として悪くはないだろう。

 

 

『勉強の哲学』[著]千葉雅也

勉強のネガティブ面を見つめた本。議論の進め方が明瞭で読みやすかった。再読するとまた発見が多そうだ。

 

 

ー小説ー

『鹿の王』1巻[著]上橋菜穂子

上橋菜穂子さんの小説が小学生の頃から大好きだ。その魅力は、人が本物であることだ。

地形も気候も植生も何もかも違うファンタジー世界。そこでも人は、なんでもない生活の中、肉の臭みを取る植物を鍋に入れる。死後の信仰がある。人生はままならない。主人公ヴァンは故郷を守る戦いで、ひとり生き残る。捕縛され、奴隷として酷使されるが、働かされていた岩塩鉱が狼と謎の病に壊滅させられてまた生き残る。時々、不思議な生き物がいる。でも彼らの存在は当たり前で、人は彼らと関わって生きてきた。

魅力を言い尽くせた気がしない。またリベンジします。

どの作家でも同じだが、上橋さんの作品は有限だ。何度も読み返しているシリーズ(守り人シリーズ)もある。しかし初読にしか無い喜びがある。一口ずつ味わおうと思う。

 

 

深夜特急』1巻[著]沢木耕太郎

地下室の手記』[著]ドストエフスキー

海外文学を趣味に加えたいと思っている。この本を選んだ理由は、①ガイブン好き・ふくろうさんのブログ(ガイブン初心者にオススメする海外文学・文庫編 - ボヘミアの海岸線)に載っていた ②短い ③有名なドストエフスキーだから。文学作品と現実以外で見かけないタイプの人間を味わえた。これがガイブンの醍醐味なのかしら。だがヒットはしなかった。また何か海外文学を読むつもりである。

ーエッセイー

『20代で得た知見』[著]F

エッセイと言っていいか分からないが他に思いつかなかった。夜も深まった頃、バーのカウンター席で、少し年上の方の人生論を聞いているような本である。手に取ったらカバー下、本体を見てほしい。この本の美学が反映されている。最近で1番好きな装丁だ。

 

 

ーお茶・お酒ー

『Food Dictionary 日本酒』

『Food Dictionary ワイン』

『Food Dictionary 日本茶

『いちばんおいしい 日本茶のいれかた』[著]柳本あかね

いれかたがシンプルでいい。書いてあるようにいれた緑茶からは甘みや香りが感じられた。自分で作った緑茶はどれも苦かったのに。

ー古いもの・うつわー

『古道具に花』[著]サイトウヤスヒコ

『美しいもの』[著]赤木明登

美学ある方々に美しいものを語らせた本。この本を手に取れた時間の制約から、読みきれていない。

『金継ぎのすすめ 物を大切にする心』[著]小澤典代

2ヶ月ほど前から、骨董と焼きものが俄に気になっている。金継ぎも始めるぞ、と思ったら父に先を越された。ここは一旦焼きものの勉強に集中しようと思う。今度父に会った時に、金継ぎの進捗を聞いてみよう。

『京都うつわさんぽ』[著]沢田眉香子

訪ねてみたいお店が見つかった。無くなったお店もあったので注意。

ーその他ー

『江戸博物文庫 鳥の巻』[編]工作舎

絵も装丁も美しい本だった。プレゼントに良さそうだ。

ー番外編ー

『ゼロからスタート ロシア語 文法編』

ロシア語話者の好きなYouTuberさんがいる。彼女の動画を聴いているうちにロシア語の発音が気になってきた。暇を持て余していた時に、手を付けてみたのがこの本だ。見様見真似でうねった文字を書く。音の羅列を口に出す。模様の連なりから意味を読み取れるようになっていく。学び始めにしか無い楽しみだ。3日坊主にはなったが、キリル文字が書けて読めるようになったのでいいや。ロシア語難しいらしいし。撤退撤退。

ー読みかけー

『「悪」の進化論』[著]佐藤優

『陰翳礼讃』[著]谷崎潤一郎

焼きものが気になりだして、日本の文化に目が行くようになった。そんな気分と合っている。流れるように読めたのが意外だった。文意が取れなくて突っかかりながら読むものだと思っていた。自分で買って読み通すつもりだ。

漫画

『果ての星通信』 1−5巻 [著]メノタ

 

 

『プリンタニア・ニッポン』1−2巻[著]迷子

 

 

どちらも好みの漫画で、応援している。その魅力について改めて書きたいと思う。

舞台

宝塚歌劇 花組『哀しみのコルドバ』『Cool Beast!!』

久々に舞台が近い席だった。前方だとやはり、演者の皆さんの身振り手振り、表情、衣装の装飾までよく分かる。柚香さんが好きなので幸せな時間でした。

映像作品

ドラマ「トッケビ

人気もあり、母が褒めていたので見てみた。主演の女優キム・ゴウンさんが自然体で親しみが持てるし、トッケビのコン・ユさんと死神のイ・ドンウクさんは格好いい。しかし面白さがあまり理解できなかった。恋愛模様への興味が薄いからか、当時少し精神的に不調だったからか。映像の綺麗さと、ちょうど良く挟まれるサイドストーリー、笑いどころから最後まで見ることはできた。何が支持されているのか位は理解したいところだ。

アニメ「バイオレット・エヴァーガーデン」

アニメ「オッドタクシー」

映画「バーレスク」[監督]スティーブ・アンティン

映画「鳥」[監督]アルフレッド・ヒッチコック

翌月現在、『仕事と人生に効く教養としての映画』に丹念な入門書の香りを感じています。読んだらもう少し映像芸術を楽しめるようになるかしら。